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EPISODE #12
AUTUMN / WINTER 25
Vintage in Progress
EPISODE #05 AUTUMN / WINTER 25

夏の陽射しが恋しかったのも遠い昔、最近はもっぱら太陽のやつめ今日もすこぶる元気だなと、サングラス越しに目を細める日々が続いています。そろそろ本格的にこの暑さにも、夏の服装にも飽きてきました。なかなか外を歩くのも億劫なこの時期は、朝から涼しい部屋で仕事に勤しみ、夕暮れを待って散歩に出かけるのが調子良い。事務所の近くでも自宅の近くでも、散歩(時にはドライブ)のコースを決めずに徘徊していると、知らない間にオープンしていた古着屋さんが目に止まります。いつの時代も王道のアイテムから、そのお店のスタンスが見て取れる独自性のあるセレクト、若かりし頃には評価されていなかったものが人気を博していたりとお店を見ていると色々な発見があります。

古着を見ることの面白さの一つは、デザインの意図やルーツを想像する余白があることだと思います。やたらと袖が極端に短く身幅の大きなシャツだったらきっと前の所有者は体の大きな人で特注で仕立てたんだろうとか、パーツごとに使用されている生地が違う軍モノのジャケットからは素材や資材が潤沢に無かった戦時下の暮らしが脳裏を過ります。色々とそのモノを見ながら作った人、所有していた人の意図や背景を想像をしているとあっという間に時間が経ってしまいます。実際のところその真意は分からないですが、そんなことをしていると愛着を感じて所有したい気持ちに駆られるのです。

FARRELL FARRELL

着る人や、見る人の想像を掻き立てる一着を作りたくて、少し変わったスウェットをつくりました。古着を見ているとたまに見つかる丸胴スウェットを再構築したようなデザインのスウェットです。提灯袖のように、肘あたりにボリュームを持たせて袖にかけて細くなる特徴的なパターンは、スポーツウェア故の動きやすさを担保するデザイン。ただ、それをあえてオーバーサイズで着る、なんてことは昔は考えられていなかったわけで、全体のバランスは今とは全く異なります。当時のものをそのまま表現しても面白くないので、現代の生活や気分に合わせて再構築しています。一見するとなんてことないスウェットでも、袖を通してみるとその作りの面白さに気づいてもらえるかと思います。

パーツ毎にコントラストをつけた生地はそれぞれで染め分けして、洋服として組み合わせた後、最終工程でサンフェードさせたような加工を施しています。機械で均一にフェード加工を施すようなものではなくて、職人が手で一箇所ずつ加工を施してくれるものなので、とても時間を要するのですが、それゆえに一つずつ表情が変わってきます。手の跡が残るような表現、機械とハンドの融合に面白さを感じています。古着屋さんでこんな服が見つかったらいいなという想像からスタートしたこの服が数十年の時を経て、未来の古着屋さんに並んだ時に見ている人がどうして、どうやってと色々と想像してくれたらいいな。そんな長い時間軸で服のことを考えているとまだまだ面白いものづくりが出来そうな気がしてきます。

FARRELL
Photo:Yuto Kudo / Model : Rata